今後の研究の推進方策 |
前年度の継続として、1)良質な[Pt(hfdt)2]単結晶を作製し、圧力下電気抵抗の再測定を行い、超伝導転移があるかを探索する。超伝導状態を発見した[Ni(hfdt)2]は作製条件が異なる試料では超伝導状態が確認できない試料もあるので、今までと異なる条件で単結晶を作製する。また、昨年磁気抵抗測定を通じて発見したスピン軌道相互作用による局在化についてホール係数測定を通じて検討を行う。2)前年度に作成した[Pd(dedt)2] 単結晶の良質な試料作製を始め、中心金属のAu, Pd, Ptへの置換も同時に試みる。また、[Pd(dedt)2]単結晶の面間抵抗測定を行い分子が並ぶ方向が電気抵抗に及ぼす影響を詳細に検討する。3)前年度の継続として、[Ni(SMe2dt)2]単結晶の作製の溶媒、支持電解質、温度、電流値などの条件をさらに広げて、中心金属のAu, Pd, Ptへの置換も同時に試みる。4)圧力誘起ディラック電子系である[Pd(dddt)2]のdddt配位子と形状と大きさが似たddt, dddse, edo等の配位子と中心金属のAu, Pd, Ptの単一成分分子性結晶作製を試み、得られた結晶の常圧下および高圧下での結晶構造と電気抵抗測定を行う。
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