研究課題
基盤研究(C)
ポリケチドは多様な構造と酸化度をもつ化合物群であるが,生体内では画一的な方法によってつくられている。本研究ではこのような合成スキームを模倣し,多様なポリケチドを統一的に合成する手法の確立を行った。マロン酸ハーフチオエステルを伸長ユニットとしたカルボン酸の繰り返し伸長反応を鍵とし,限られた種類の反応を繰り返し行うことで種々のポリケチド化合物が得られることを示した。また,繰り返し反応を固相合成法に展開し,簡便な操作でポリケチド化合物を合成することを可能にした。
有機合成化学
ポリケチドは医薬品開発の基礎となる重要な化合物群であり、本研究では繰り返し反応によるポリケチド合成が可能な手法を開発した。異なる種類の天然ポリケチドを統一的な手段で合成できることに加え、フッ素や窒素原子を任意の位置に導入した非天然型のポリケチド合成も可能である。簡便な操作の繰り返しで多種類のポリケチド化合物が得られるため、本法を利用した新たな医薬品の創製が期待できる。