汎用高分子や天然多糖,タンパク質・生体化合物など,高分子においてはX線回折や固体NMRといった主たる構造解析手法のための単結晶試料を準備することが難しい.本研究で開発した磁場配向微結晶懸濁体のin situ固体NMRを使用すれば,液体中にある微結晶から直接単結晶NMR解析を行うことができる.また,同手法は単結晶化が困難な物質の直接的な構造解析を可能とするだけでなく,生理条件下等でのin situ測定を介したダイナミクス・機能解析への道を拓くものである.よって,高分子構造・機能学等への波及効果はもちろん,生体分子の機能解明や創薬・医療工学への寄与の観点から社会的意義も極めて大きい.
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