芳香族ポリエーテルは電子や通信などの先端技術分野に不可欠な材料であり,その合成法としてはフェノール類の酸化重合が最も低負荷かつ低コストである.当方では人工酵素触媒を用いるラジカル制御酸化重合を見出し,両オルト位に置換基のないフェノールからでも,パラ位で連結したポリエーテルを合成できる. 本研究では,ラジカル制御酸化重合を嵩高い置換基をもつフェノールに拡張し,高機能性ポリエーテルの合成を目指した.その結果,2-フェニルフェノールのラジカル制御酸化重合と再沈殿を組み合わせることにより,500℃以上の熱安定性をもつ新規ポリエーテルを合成し,数平均分子量を6万以上とすることに成功した.
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