研究課題
糖の構造異性体の分離選択性の検討テュービンゲン大学のLaemmerhofer教授との共同研究で、親水性相互作用クラロマトグラフィー(HILIC)を用いた糖の構造異性体の精密分離を行った。検討したカラムの中では、報告者が開発したテトラゾール修飾型のカラムが最も保持能力、構造選択性共に高いことが示された。ヒトの糖タンパクによく見られる単糖の完全分離のために、実験計画法で条件を最適化し、良好な分離を実現した。また、このカラムの能力を活かして、糖のアノマー分離を行った。様々な温度における各アノマーの存在比率を求めることで、アノマー化の平衡定数の測定を可能にした。シリカの表面修飾に用いる重合反応の最適化と分離性能の関係の精査表面開始原子移動ラジカル重合(SI-ATRP)によってポリ(アクリルアミド)型シリカを調製し、HILICカラムを作製した。このカラムの分離特性をHILICカラムテスト法によって評価した。SI-ATRP による修飾では、シリカ粒子の空孔径が10 nmより15, 20 nmの方が高い親水性表面を与えた。親水性保持の指数でテトラゾール修飾型のカラムには及ばないものの、ほとんどの市販カラムより高い値を示した。テトラゾール結合型メタクリルアミドを同様にSI-ATRPで重合修飾する試みは、これまで成功しなかったが、反応系を塩基性に変えることによって速やかに反応が進行し、大きな保持を与える固定層の作成に成功した。これらの固定相は、シリカ表面にブラシ状のポリマーが生成すると想像されるが、それを確認するために鎖状のオリゴ糖とシクロデキストリンの構造選択性を検討した。フリーラジカル重合で巨大分子がまばらに結合している状況に比べて、短鎖のポリマーが高密度に結合しているカラムでは、シクロデキストリンの保持が小さくなり、鎖状/環状の構造選択性が高いことも明らかになった。
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Journal of Chromatography A
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