油水界面でのイオン(または分子)の吸着反応は、溶媒抽出、コロイド、イオンセンサーなどの分離・検出系のメカニズムの理解において基本的に重要である。しかし、吸着反応の研究は必ずしも容易ではなく、十分な解明はなされていない。本研究では、研究代表者が提案したイオンの溶媒和エネルギーの理論モデル(非ボルン型理論)を用いて、界面活性な有機イオンの界面吸着反応の新しいシミュレーション法の開発を目的とした。電荷を持つイオンへの応用の基礎検討として、本研究では、まず中性分子(アルキルアルコール)のシミュレーション法を開発した。シミュレーションにより求められた吸着エネルギーや吸着配向は実験とよく一致した。
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