生体は,光学異性体を認識して使い分けている。一方で,光学異性体の分離・定量には,高度かつ繊細な分離条件の検討が必要であり,光学異性体の生体内・環境中での動態を解明するためには,迅速・高精度な分析手法の開発が必須である。本研究では,電場と膜透過による溶存イオン抽出法による光学分割能の付与を目指した。また,開発した光学分割を物質ごとに分離するカラムの後段に設けることで,光学異性体を一斉分析する手法を検討した。イオン透過膜に選択性を設けることで,従来にない高い光学分割特性が得られた。また,クロスフロー型イオン抽出デバイスを新たに考案することでピーク分散が起こらないポストカラム法を確立した。
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