研究課題/領域番号 |
17K05907
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
志村 清仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30130008)
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研究分担者 |
鈴木 弘行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30322340)
長井 俊彦 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90180447)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | T細胞受容体 / クローナリティー / 免疫応答 / キャピラリー等電点電気泳動 / CIEF / ACCIEF / APCIEF / 免疫アフィニティー |
研究実績の概要 |
1.T細胞受容体発現モデル細胞の取得 T細胞受容体(TCR)クローナリティアッセイでは血液中の単球もしくはがん組織に侵入したT細胞に発現されているTCRを分析対象とする。標準試料としてはTCRを発現するクローン細胞を準備することが望ましい。そこで、検討の結果 Human acute lymphocytic leukemia (ALL) cell lineであるCCRF-CEM細胞を選択し、国立研究開発法人JCRB細胞バンクより分譲していただいた細胞を培養し、50,000,000 cellsを得た。これを分注し冷凍保存した。 2.抗TCRモノクローン抗体 当初は抗TCRモノクローン抗体産生ハイブリドーマより、抗TCR組換え Fab のクローニングを計画したが、現時点では抗TCRモノクローン抗体産生ハイブリドーマの提供者はまだ見つかっていない。そこで、抗TCR抗体固定化マイクロカラムとキャピラリー等電点電気泳動 (CIEF) を直結したアフィニティーキャプチャーCIEF (ACCIEF) によるTCRクローナリティーアッセイの開発を先に進めることとした。固定化抗体としては市販されている抗TCRβ鎖モノクローン抗体であるG-11抗体が最適と考えられた。 3.免疫アフィニティー捕捉とCIEFの結合を可能にするACCIEF装置の自動化と改良 ACCIEFによるTCRクローナリティーアッセイ開発を進めるために、本研究者らが開発しているACCIEF装置プロトタイプの改良と全自動化を行い、全自動運転が可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗TCRモノクローン抗体産生ハイブリドーマの提供者が見つからないという状況であるが、当初計画したアフィニティープローブキャピラリー等電点電気泳動法 (APCIEF) に換えて、ACCIEF法を採用することにより、ハイブリドーマから抗体遺伝子のクローニングを行わずに研究を進めることができると考えられる。ACCIEF装置プロトタイプの改良と全自動化を完了できたことから、ACCIEFによるTCRクローナリティーアッセイの開発に弾みを付けることができた。
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今後の研究の推進方策 |
1.TCRβ鎖蛍光標識法の開発 APCIEF法に換えてACCIEF法を採用する場合、高感度検出にはTCRを蛍光標識する必要がある。幸い、TCRβ鎖には部位特異的標識に適した遊離システインが1残基存在する。このシステイン残基を高効率に標識する方法を開発する。 2.TCRの可溶化、糖鎖の除去などは当初の計画通りに進める。 3.上記の研究に加えて、平成30年度の研究計画を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の残額が生じたが、次年度に有効に使用する予定があったため、次年度使用額とした。
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