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2018 年度 実施状況報告書

RNA高次構造を検出可能な超効率的RNA検出プローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K05919
研究機関北海道医療大学

研究代表者

佐藤 浩輔  北海道医療大学, 薬学部, 講師 (70415686)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード蛍光ヌクレオシド / C-ヌクレオシド
研究実績の概要

平成30年度は蛍光光度の高い 2-aminothiophenol (AT) プローブの反応部位となる新規ヌクレオシド誘導体のデザインと合成を行い、その蛍光特性について評価する。種々検討を行った結果、これまでの研究により明らかとなっていた、MeO基をアミノ基のパラ位に導入した誘導体が強い蛍光を示すことを明らかにした。また、本誘導体合成時に合成上のいくつかの問題点の解決を試みた。1)鍵反応となるHeck反応の収率について、これまでの方法ではカップリング、脱保護、還元の3工程で20%程度の収率であったのを、アミノ基の保護基、反応条件(Pd触媒、リガンド、溶媒等)を検討することで、40%程度まで向上させることに成功した。2)チオールの保護基、アミノ基の保護基の脱保護条件について検討したところ、チオールの保護基は温和な塩基性条件で脱保護可能なのに対し、アミノ基の保護基は少し過激な塩基性条件が必要であった。このまま、DNA合成機へ導入すると、合成後のDNAの脱保護操作がかなり煩雑になることが予想されたので、チオールの保護基をジスルフィド型へと変換することにより、DNA合成、精製後の使用直前にチオールを脱保護して用いることとした。このような手法はすでにDNAへのチオール基導入に用いられているため、有効であると考えられる。実際のチオール保護基の変換は種々検討の結果、1工程で収率>90%で行うことができた。
検討後、さらに合成を進めMeO基をアミノ基のパラ位に導入した誘導体のホスホロアミダイトユニットをDNA合成に必要な十分量合成することに成功した。現在DNA合成の検討を行っているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の検討で残っていた合成上のいくつかの問題点も解決できた。スキームがほぼ確立できたため、種々の誘導体のホスホロアミダイトユニットの合成もスムーズに行うことができる。また、DNA合成の検討を行うこともできた。そのため概ね順調に推進していると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成30年度に合成したホスホロアミダイトユニットを用いて合成したDNAによる反応性の検討と標的であるRNAの高次構造の異なるものを用いて、プローブに加えて用いるサポート鎖の検討を行う。また、確立した合成スキームを用いてさらに検出感度の良い誘導体の検討を行う。
最終的には生細胞内で微量RNAの検出を行い、その高次構造の推定を行う。

次年度使用額が生じた理由

前年度に引き続き、当該研究に使用する設備について整備する必要があったため、次年度への使用金額が生じた。 また、予定していた学会への参加が都合がつかず、旅費を使用しなかったため、次年度への使用金額が生じた。令和元年度はより精力的に当該研究を進めるため、前年度に購入できなかった物品費として合わせて使用していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of 2-Amino-4-fluoropyridine-C-nucleoside Phosphoramidite for Incorporation into Oligonucleotides.2019

    • 著者名/発表者名
      K. Sato, A. Matsuda
    • 雑誌名

      Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry

      巻: - ページ: e77

    • DOI

      doi: 10.1002/cpnc.77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improvement of SNAr Reaction Rate by an Electron-withdrawing Group in the Cross-linking of DNA Cytosine-5 Methyltransferase by a Covalent Oligodeoxyribonucleotide Inhibitor.2018

    • 著者名/発表者名
      Y, Kasai, K. Sato, S. Utsumi, S. Ichikawa
    • 雑誌名

      ChemBioChem

      巻: 19 ページ: 1866-1872

    • DOI

      doi.org/10.1002/cbic.201800244

    • 査読あり
  • [学会発表] Evaluating the reactivity of oligonucleotides containing an acyclic 5-fluorocytosine nucleoside on DNA methylation2018

    • 著者名/発表者名
      Shohei Utsumi, Kousuke Sato, Satoshi Ichikawa
    • 学会等名
      The 45th International Symposium on Nucleic Acids Chemistry/The 2nd Annual Meeting of Japan Society of Nucleic Acids Chemistry
    • 国際学会
  • [学会発表] FC鎖状ヌクレオシドを含む核酸によるDNAメチル化阻害反応の反応性評価2018

    • 著者名/発表者名
      内海 翔平、佐藤 浩輔、市川 聡
    • 学会等名
      第30回万有札幌シンポジウム

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公開日: 2019-12-27  

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