海洋光合成初期過程の超効率的エネルギー伝達機構の解明に向け、パラセントロンをリード化合物とするカロテノイド類縁体の創成に取り組んだ。パラセントロンは、高いエネルギー伝達能を持つ天然物フコキサンチンと類似のカルボニル基とアレンが共役したポリエン骨格を持ち、フコキサンチンより構造が簡素化された化合物である。その結果、1) 両官能性C5ジエン合成ブロックのクロスカップリングを鍵とする共役ポリエン構築法の開発、2)パラセントロンの全合成とその改良合成、3) 19-ヘキサノイルオキシパラセントロンの合成、を達成した。また、開発した共役ポリエン構築法に檜山カップリング反応の導入が可能であることを実証した。
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