生体でのタンパク質の品質管理機能を担うユビキチン化は、白血病などのがん疾患と関係が深く、ユビキチン化活性を高感度に検出できれば、疾患の診断・病態把握が可能である。これまでにユビキチン化に関わる酵素であるユビキチンリガーゼ(E3)を人工的に作製し、これを活用することでユビキチン化活性の検出を進めてきた。本申請研究では、簡易検出できるシステムの構築に向けて、迅速・高精度なイムノクロマトグラフィーで、ユビキチン化活性の検出を検討する。血清サンプルに最適な測定条件を検討し、白血病の診断・病態把握の可能性を調査する。これまで分子設計技術に基づき、急性前骨性白血病(APL)に関与するSIAH-1 活性部位を移植した人工E3の設計・合成を行ってきた。この年度では、がん細胞中のE2活性を、濃度依存的に検出できるシステムの構築を実施した。
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