研究課題
基盤研究(C)
本研究では、可視光照射によって他の物質を酸化や還元できるイリジウム触媒を連結したオリゴ核酸を合成し、そのオリゴ核酸を用いることでヨードウラシルを含むオリゴ核酸の脱ヨード化(還元反応)に成功しました。さらに、チオエステル(アシルチオ基)を連結したオリゴ核酸の合成も行い、そのオリゴ核酸を用いることでをアミノメチルウラシルを含むオリゴ核酸のアミノ基へのアシル基転位反応に成功しました。また、アシル基転位が効果的に進行する位置についても明らかにしました。
核酸有機化学
狙った核酸の望みの位置の核酸塩基のみをピンポイントで直接的に官能基化することができれば、既存の機能性オリゴ核酸の更なる機能性向上や期待できます。本研究成果はそれを実現するためのはじめの一歩となる研究です。本研究で開発した可視光照射により酸化還元能を示すイリジウム連結オリゴ核酸やアシル基転位能を有する活性エステル連結オリゴ核酸は他の技術への応用も期待でき、今後の核酸化学研究の発展に寄与することが考えられます。