| 研究課題/領域番号 |
17K05946
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| 研究機関 | 群馬大学 |
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研究代表者 |
永井 大介 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (30375323)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | レアメタル / 白金族同士 / 種核成長 / 相互分離 / 金属配位ポリマー |
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| 研究実績の概要 |
前年度までに、Pt(IV)イオンと5種類の白金族混合溶液を調製し、金属配位ポリマー上での種核成長を行ったところ、いずれの白金族混合溶液の場合もPtが選択的に捕集できることを明らかにした。今年度では、白金族混合溶液からのRhの選択的捕集を目的とした。まず、金属配位ポリマーをRh(IV)イオン水溶液に分散させ、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを加えることで、Rhの核をポリマーの硫黄原子上に固定した。Rh(IV)イオンと他の5つの白金族混合溶液を調整し、Ptの核を固定化させたポリマーを加え、L-アスコルビン酸により核を中心とした還元反応による結晶成長を行いナノ粒子に成長させた。得られたポリマーの蛍光X線分析により、Rhが優先的に捕集されたことから（60 %以上）、ポリマーの核を選択することにより、白金族混合物から目的の金属を選択的に分離できることが明らかとなった。
さらに、白金の捕集機構を解明するために、金属配位ユニットを7%と4%持つポリマーを合成し、PtとPdの相互分離挙動を検討した。7%のポリマーを用いてPtの核生成を行いIRスペクトを測定したところPtに配位していないチオカルボニル基の残存が確認されたのに対し、4%のポリマーの核生成では全てのチオカルボニル基が配位していることが分かった。得られたポリマーを用いて、PtとPdの分離実験を行った結果、いずれもPt : Pd = 88:12と同じ結果であった。この結果から、Pdが混入する理由として、核成長の際に残存しているチオカルボニル基に配位するのではなく、Ptの核成長の際に混入していることが分かった。さらに、7%のポリマーを用いてPtとPdの分離実験における継時変化を行ったところ、1時間後から24時間後まで、Pt : Pd = 87:13と変化しなかったことから、PdはPtの結晶成長初期から同割合で混入することが分かった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的である高選択的・高回収レアメタル捕集ポリマーの開発において、白金族混合溶液から、ポリマー上の核を選択することにより、所望の金属を選択的に分離できることを明らかにした。さらに、選択的捕集の機構を明らかにし、高選択的レアメタル捕集ポリマーの開発においては目的を達成したといえる。本年度以降では、この捕集ポリマーの回収量増加と都市鉱山サンプルからの白金族効率的分離の検討、および金属を捕集したポリマーを触媒としたメタンの効率的酸化反応を検討できる準備が整っており、計画通りに進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成29, 30年度では、白金族混合溶液からの高選択的捕集ポリマーの開発に成功した。平成32年度では、この捕集ポリマーの回収量増加および都市鉱山サンプルからの白金族効率的分離の検討、および金属を捕集したポリマーを触媒として用いたメタンの効率的酸化反応を検討することを予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は高選択的レアメタル捕集ポリマーの開発のみ検討したのに対し、平成31年度ではレアメタル捕集挙動の他に、レアメタルを捕集したポリマーの高分子触媒への応用を検討する予定で検討内容が平成30年度より多いため、消耗品費として平成31年度分に繰り越した。
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