イソオキサゾリン類の合成について 1)酸存在下、二種のアルコールおよびα-ニトロケトンの三成分からイソオキサゾリンのワンポット合成の反応条件の検討において、この反応では、二種のアルコールから置換オレフィンを、α-ニトロケトンからニトリルオキシドを系内で生成させる際、いずれの反応においても水が副生する。この水が触媒活性を阻害し高収率で目的物を得ることが困難であった、Amberlyst等の水の影響を受けにくい触媒を用いた場合においても良好な収率で目的物を得ることができなかった。2)アルドオキシムとアルコールを用いたイソオキサゾリン類の合成の検討では、出発原料にアルドオキシムを用いることでα-ニトロケトンを用いた反応とは異なり3-位にアシル基が存在しないイソオキサゾリン誘導体の合成を確認したが、この反応は現在最適化の検討中である。 クロマン類の合成について 30年度に検討した、①様々なo-ヒドロキシベンズヒドロール類を用いたフェニルクロマン類の合成、②種々のo-ヒドロキシベンジルアルコールを用いたクロマン類の合成、および、③種々のアルキルアルコールとo-ヒドロキシベンズヒドロールを用いた多置換クロマン類の合成について適応範囲の拡大を検討した。2級ベンジル型アルコールは本反応に不向きであると考えられたが、環化を受ける芳香環上の特定の位置に置換基を存在させると対応する目的物を与えることが確認されたことから、このことを応用して従来本手法で合成不可能であった新規化合物の合成の合成を可能とした。
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