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2017 年度 実施状況報告書

二酸化炭素とバイオマスからの新規機能性材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 17K05959
研究機関地方独立行政法人大阪産業技術研究所

研究代表者

三原 正稔  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究主任 (70416296)

研究分担者 水野 卓巳  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 部長 (10416290)
中井 猛夫  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究主任 (60443545)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード二酸化炭素 / カーボネート / エポキシド
研究実績の概要

二酸化炭素は、温室効果ガスの1つであり、その削減や有効利用が強く望まれている。そのため現在、二酸化炭素を炭素源として利用する試みが、精力的に行われている。なかでも、アトムエコノミーの観点から、二酸化炭素とエポキシドからの環状カーボネートの合成は、最も有望な手段の1つとして考えられている。
本研究では、求核種と酸を協奏的に触媒作用させることにより、二酸化炭素とスチレンオキシドから5員環カーボネートを、常温・常圧で合成することを目指した。その結果、ヨウ化亜鉛とペンタアルキルグアニジンとの錯体が、触媒として利用できることが明らかなり、さらに、塩化亜鉛を添加することで、活性の大幅な向上が観察された。例えば、ヨウ化亜鉛(1 mol%)とtert-ブチルテトラメチルグアニジン(2.2 mol%)との錯体へ塩化亜鉛(0.5 mol%)添加し、スチレンオキシド(10 mmol)と二酸化炭素(0.1 MPa)との反応を25 ℃で18 時間行うと、目的のスチレンカーボネートが81%の変換率で得られることを見出した。本触媒系は、バルーンによる二酸化炭素の導入及び25 ℃の温和な条件下で反応が進行する。また、溶媒を使用する必要もないため、二酸化炭素を原料として用いる5員環カーボネート合成の有効な触媒になり得る。
今後、二酸化炭素とバイオマスから機能性材料を創製するに当たり、さらに活性の高い触媒系の構築を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

変換率の面で改善する必要はあるが、二酸化炭素を原料とするカーボネート合成を、温和な条件下で行える触媒系を見出すことができた。また、二酸化炭素とバイオマスからの機能性材料の創製を行う際に、この触媒系を今後活用できる。

今後の研究の推進方策

開発した触媒系において、金属ハロゲン化物と有機塩基との組み合わせや調製条件等を検討し、より活性の高い触媒開発を行う。本研究では、機能性材料へ誘導する際、環状カーボネートの合成がキーステップとなるため、温和な条件下でも効率的に働く触媒の開発が必要である。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の端数の累積により、差が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Transition-Metal-Free and Oxidant-Free Cross-Coupling of Arylhydrazines with Disulfides: Base-Promoted Synthesis of Unsymmetrical Aryl Sulfides2017

    • 著者名/発表者名
      Toshihide Taniguchi, Takuya Naka, Mitsutaka Imoto, Motonori Takeda, Takeo Nakai, Masatoshi Mihara, Takumi Mizuno, Akihiro Nomoto, and Akiya Ogawa
    • 雑誌名

      J. Org. Chem.

      巻: 82 ページ: 6647-6655

    • DOI

      10.1021/acs.joc.7b00767

    • 査読あり
  • [学会発表] Synthesis of Cyclic Carbonates from Carbon Dioxide and Styrene Oxide under Room Temperature and Atmospheric Pressure2018

    • 著者名/発表者名
      三原正稔、中井猛夫、伊藤貴敏、大野敏信、水野卓巳
    • 学会等名
      日本化学会第98春季年会
  • [学会発表] アリールヒドラジン類とジスルフィド類を用いた遷移金属および酸化剤を必要としない非対称アリールスルフィド合成2017

    • 著者名/発表者名
      谷口寿英、中拓弥、井本充隆、竹田元則、中井猛夫、三原正稔、水野卓巳、野元昭宏、小川昭弥
    • 学会等名
      日本プロセス化学会2017サマーシンポジウム
  • [産業財産権] 新規なビス(ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール化合物2017

    • 発明者名
      西原、芦田、水野、伊藤、三原、岩井、中井
    • 権利者名
      西原、芦田、水野、伊藤、三原、岩井、中井
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特許第6190256号

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公開日: 2018-12-17  

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