研究課題/領域番号 |
17K05960
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
小野 大助 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究管理監 (30416317)
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研究分担者 |
川野 真太郎 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (50646198)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 化学分解性 / アミド型 / 粘性 |
研究実績の概要 |
出発原料の酒石酸ジエチルをこれまでのL体から立体異性体の異なるメソタイプに変更し、アミド基を有するジェミニ型アニオン性両親媒性化合物を合成した。また各種溶媒、油脂に溶解させて増粘効果について検討した。 出発原料のメソ酒石酸はエステルタイプが入手できないため、メタノール中、酸触媒として硫酸を用いることによりメチル化した。ジアミド中間体はこれまでの方法と同様に、長鎖アミンと酒石酸ジメチルとの加熱撹拌反応により合成した。得られた中間体は、ヘキサンで洗浄することにより精製した。目的物の合成では、ジアミド中間体の水酸基を硫酸化するために、これまでスルファミン酸を用いて反応を行ってきたが、本年度は、ピリジン三酸化硫黄錯体に変更した。その結果、収率の改善が確認できた。目的化合物の精製は、脱塩後、ODSカラムにより行った。 各種溶媒(メタノール、エタノール、アセトン、トルエン)中に中間体または目的物を溶解させて、25℃でE型粘度計を用いて粘度を測定した結果、中間体と目的物ともにいずれの溶媒もblankの値と変化がなく、増粘効果は見られなかった。油脂(大豆油、オリーブオイル、ザクロ種子油、ボタン種子油)に関して、目的化合物であるジェミニ型アニオン性両親媒性化合物は溶解しなかった。ジアミド中間体はすべての油脂に溶解し、L体において増粘を確認することができたが、メソタイプではblankの値と変化がなく効果がなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
合成経路では、今までの方法から改良することにより、収率を改善することができた。ただ、出発原料の立体異性による効果を期待したが、増粘効果は見られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ノニオン性のアミド基を有するジェミニ型化学分解性両親媒性化合物を合成し、基本的界面物性、各種溶媒の粘度を測定する。以前のノニオンタイプは、一疎水基であったが、ジェミニ型に変更することで、基本的界面物性の性能アップや各種溶媒の増粘効果が期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究延長を行い試薬購入が必要なため
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