研究課題
昨年度、開発した可視光に吸収を持たず1000 nm以上に最大吸収波長を持つ高耐光・高耐熱性有機色素を用いて、ヨウ素系レドックス系を用いた色素増感型太陽電池のセルを作成した。しかしながら、その色素増感型太陽電池は、近赤外光に光電変換性能をほとんど示さず、その結果、変換効率も極めて低い結果を与えた。その理由を明らかにするために、色素のサイクリックボルタンメトリーを測定し、酸化・還元電位を測定した。その結果、色素のLUMOが酸化チタンのコンダクションバンドよりも低いため、励起された色素から効率よく酸化チタンに電子が流入しないことが原因であることがわかった。これらの結果から、1000 nm以上に最大吸収波長を保ちながら、色素のLUMOを酸化チタンのコンダクションバンドより高くするさらなる分子設計の必要性が明らかになった。
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The Journal of Orgnaic Chemistry
巻: 85 ページ: 1253-1258
10.1021/acs.joc.9b02857