研究課題
基盤研究(C)
本研究では、従来未利用の赤外光を変換する可視光透過型で透明なDSSCの高性能化を目的とした。現在、この太陽電池に使用している赤外光吸収色素の光の吸収幅は狭く、変換効率が低い。この問題を解決するために、広帯域の赤外光を吸収する新規赤外吸収色素ポリマーの合成を実施した。その結果、開発した色素ポリマーの光の吸収幅は。モノマー型色素に比べて、3倍拡大することができたが、LUMOの低下により、DSSCとしての変換効率が低くなる新たな問題点が明確になった。
有機機能化学、有機元素化学
これまでに例のない無色透明DSSCができる。この無色透明という機能は、景色などの可視光を透過させる太陽電池の実現であり、従来太陽電池の利用が難しかった用途や意匠的に今まで予想できなかった用途が開拓できる。また、既存のDSSCでは、ほとんど利用できなかった「太陽光の40%を占める赤外光」を利用できるため、既存のDSSCの上に重ねるタンデム型構造等により、変換効率の飛躍が期待できる。