様々な分子を自在に分離・濃縮できる分離膜の創製を目指した。ヘキサンに溶解させた酸クロリド溶液をウイルス水溶液に重層し、界面重合によりその集合構造を固定化して不溶化させ、膜を構築した。分離特性を評価した結果、その分画分子量はファージ濃度や他の反応条件で制御することができ、自在な分離特性をもつ膜をファージから構築できた。さらに、ネオジムイオンに結合するペプチドを導入したファージを用いて膜を構築した結果、鉄と比較してネオジムイオンが選択的に吸着することがわかった。以上から、自在に機能改変できるファージを利用することで、望みの分離機能をもつ膜を構築できることを見出した。
|