PETおよびPPS繊維のネック変形前後の超小角X線散乱像を測定し、数十から数百nmスケールでの構造変化を解析すると共に、物性との対応についても調査した。PET 繊維の場合、ネック変形後、PETで観察されるX字状の散乱は、ネック変形時の剪断変形によって形成されるShear band状構造を反映すると考えられる。IVが低いほど、また送出速度が遅くなるほど、ボイド率が大きくなる傾向がみられた。得られたボイド率は最大63%で、送出速度1.0m/min、延伸倍率6.25倍で延伸した場合だった。800ミクロメーターの区間をX線CT測定した結果、繊維内部のボイドは繊維軸方向に対して連続している可能性が高い。
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