研究課題
基盤研究(C)
これまで合成が困難と言われていた多分岐構造を有するポリカーボネートの合成に成功した。得られた多分岐ポリカーボネートは、線状高分子よりも多くのイオンを溶解することが可能であるばかりか、高いイオン伝導度を示し、従来の線状高分子よりも優れた高分子電解質となりうることが明らかとなった。本研究は、新しい材料創生のための設計思想を提供するものである。
高分子合成
化学構造に高度に枝分かれした構造を導入した高分子を用いることで高分子電解質の物性を制御することを試みた。分岐構造の導入により、電解質の電位電導度が向上する現象が見られた。より詳細に評価することにより、分岐構造の導入が高分子鎖の活性化エネルギーを低下させうることが明らかとなった。このことから、より高いイオン伝導度を示す高分子の化学構造に対して分岐が影響することを示し、新たな分子設計の指針を与えた。