研究課題
基盤研究(C)
温度応答性ポリマーは加温によって白濁するLCST型と加温によって溶解するUCST型に大別され、インテリジェントマテリアルとして様々な分野で利用されている。本研究では、疎水性アミノ酸であるフェニルアラニン(Phe)をもつカルボキシ末端デンドリマーは、LCST型とUCST型の性質をpHによってスイッチングできるユニークな性質を示すことを明らかにした。また、このデンドリマーを皮内投与すると、リンパ節に集積し、これまでデリバリーが困難であったT細胞を含む様々な免疫細胞に取り込まれることがわかった。
高分子材料化学
LCST型とUCST型の性質をpHによってスイッチングできる温度応答性材料はこれまでにない。本研究で作製したデンドリマーは、新たなインテリジェントマテリアルとして様々な分野での応用が期待される。また、T細胞内部へのデリバリーは、現在のところ、抗体を付与したウィルスでしか達成されていない。本研究成果は、T細胞へのデリバリーが可能な安全性の高い非ウィルス性のナノ粒子として新しいデリバリー技術を提案することができる。