ナノスケールとマイクロスケールをつなぐマルチスケールモデルについては,依然として確立されたモデルは見られないが,本研究では,簡単な分子動力学モデルを作成して解析することによって,様々な降伏および塑性変形機構が観察できることを示したことから,今後は同様な解析をより多く進めることによって,マイクロスケールにつなげる知見を得ることが期待できる.また,粒子モデルとフェーズフィールドモデルを融合した計算モデルを提案した.これに実際の粒界とマクロ力学特性をリンクさせれば,マルチスケールな解析が可能となると期待できる.新材料の開発にはこのようなモデルが不可欠であり,社会的な意義も大きいといえる.
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