格子定数の異なる結晶の界面では,両者の格子定数の違いによる応力を緩和するためのミスフィット転位が自発的に導入される.このミスフィット転位周りの応力は,ミスフィット転位で無限大となり1/r (rはミスフィット転位からの距離)の特異性をもつ.そこで,1/rの特異性にかかる係数を算出して,特異応力場の厳しさを調べることにした.Si-Ge, Si-SiGeについて,分子静力学を用いて,ミスフィット転位周りの特異応力場の強度に及ぼす,薄膜厚さの影響を調べた. その結果,Si-SiGeでは,明らかに50オングストローム以下の領域で,応力場の厳しさを示すパラメーターの 減少が見られた.
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