本研究では,周波数領域での信号分離法をエイリアシング問題に適用し,ソフトウエア技術によって,イメージセンサの解像度を飛躍的に高めるアルゴリズムを開発することを目的としている. 平成31年度は,これまでの成果を一般化することを目指し,ナイキスト周波数のn倍の信号が含まれる場合について検討を行った.検討条件として,設定の異なるフィルタを前段に挿入したn組のA/D変換器を用いて,サンプリング周波数fsで同時サンプリングすることで得たn組のサンプリングデータを用いた.結果として,これらのデータをフーリエ変換し,フーリエ領域で関係式を求め,これらを連立させることで,モデル化を行うことができた. また,実験によって,ナイキスト周波数の3倍の成分を含む信号をサンプリングし,本理論によって再現が行えることを確認した.実験では,コンデンサと抵抗で構成されたパッシブ型のローパスフィルタを用いた.A/D変換器は1つのパッケージに複数のディスクリートADCを組み込んだものを利用した.本実験では,理論による結果と一致したとは言えない条件もあり,その原因については未解明として課題が残った.
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