研究課題/領域番号 |
17K06091
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
谷口 淳 東京理科大学, 基礎工学部電子応用工学科, 教授 (40318225)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ナノインプリント / 銀インク / 光硬化性樹脂 / アライメント / 貫通穴 / 積層構造 |
研究実績の概要 |
前年度はアライメントを用いた金属ナノパターンの積層構造の作製に成功したので、今年度は、配線積層構造の条件出しと、ロールトゥロール用アライメント装置開発が主目的である。ロールトゥロール用アライメントに関しては、本年度は予備実験を行った結果、光学式のアライメントの場合、ロールトゥロール動作時にずれが生じてしまうため、今回は機械的にクランプするような冶具でのアライメントが良いと判断した。このため、この冶具は最終年度に作製し実験を行う。また、配線積層構造に関しては、貫通穴をナノインプリントで形成し、そこに銀インクを入れることで貫通穴を通して、上面と下面の配線(500nm幅)の形成に成功した。この結果は、国際会議と国内会議で発表した。具体的には、UV硬化性樹脂を用いて貫通穴を有する金型とコイル形状配線を有する金型を作製した。基板上にコイル配線をナノインプリントし、その溝に銀インクを詰めて加熱し、その銀コイル配線をUV硬化樹脂により、掬い取った。その上にUV硬化樹脂で貫通穴部分を形成し、貫通穴部分以外は樹脂で埋めた。次に貫通穴に銀インクを詰め、上部コイルパターンをインプリントで作製し、その後銀インクを詰めて形成した。作製された配線と貫通穴電極の間の導通を確認した。また、透過率は60%程度であった。今年度は作製プロセスに成功したが、まだ、銀インクなどが残っており、透過率が悪い状態であり、引き続きプロセスのブラッシュアップとデバイスなどの作製を次年度では目指す。また、銀インクに関しても、2社の製品を試したが、なかなか良い状態で作製できないため、引き続き銀インク材料の探索も行う。現状は、ロールトゥロールの進捗が遅れ気味だが、金型とインク系だけで微細配線まで作製できているので、量産性は向上している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現状は、ロールトゥロールの進捗が遅れ気味だが、金型とインク系だけで微細配線まで作製できているので、量産性は向上している。ロールトゥロールも冶具作製前の段階であるが、積層の実績はある。
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今後の研究の推進方策 |
ロールトゥロール用アライメント冶具を作製し、金属積層の実験をロールトゥロールで行う。また、単純積層構造、配線積層構造ともにデバイスを作製する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
1万円未満の金額のため、翌年に繰越にした。
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