研究実績の概要 |
本研究ではNi基合金とC/C複合材の高品位異材接合を達成するために応力緩和層として低熱膨張係数の多孔質体を金属3D積層造形を目的とするが,本年度は低熱膨張多孔質体の試作を目標とした. まず,低熱膨張係数多孔質体の試験的モデルを仮想的に製作し,有限要素法(FEM)による弾塑性解析で機械的性質を調べ,また,Ni基合金IN718で粉体床型レーザー照射式3D積層造形装置(LB-PBF)にて実造形した.その結果,弾性係数,圧縮強度,見掛け破断ひずみの値がFEM予測値よりも低くなった[1].この差異は多孔質体モデルは梁と薄板で構成されていたが,実造形物では梁,薄板の表面が粗く,貫通穴状欠陥すら観察されほど材質が粗悪なためと考えらえた.そのため,薄物造形物を無欠陥で作製する条件を見出す必要に迫られた. そこでIN718の薄物造形試験を実施した.その結果,薄物では従来造形条件よりも低入熱の条件にする必要が判明した.この結果はIN718のみならず,Ni基成形ろう材製作にも援用できる[2]. 1) 池庄司敏孝, 米原牧子, 中村和也, 京極秀樹, “3D積層造形インサート材を挿入したC/C複合材/Ni基合金ろう付継手の応力解析,” 溶接学会全国大会講演概要, 2017f (2017) 2) Toshi-Taka Ikeshoji, Makiko Yonehara, Kazuhiro Nakamura, Hideki Kyogoku, “Fabrication of Ni-alloy Metal Sheet by Laser Powder Bed Fusion,” Proceedings of International Brazing & Soldering Conference(IBSC) 2018, New Orleans (2018)
|