研究課題/領域番号 |
17K06105
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研究機関 | 秋田県産業技術センター |
研究代表者 |
中村 竜太 秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 主任研究員 (00634213)
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研究分担者 |
赤上 陽一 秋田県産業技術センター, その他部局等, 所長 (00373217)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 撹拌 / 電界 / 電界撹拌 / シャーレ / 電界撹拌用シャーレ / 電極インサート蓋 / 高電圧スイッチング |
研究実績の概要 |
本年度は、3次元撹拌と2次元回転を融合させた撹拌を実現するための最適容器設計及び電極形状、電界印加方法の検討を行った。まず、電界撹拌を可能にさせる容器の開発を行った。容器底面と側壁との内側境界部分に台座を設けで液がドーム形状となり、電界撹拌が可能となる容器を設計し、プラスチック成型によって製作した。次に、閉鎖系での電界撹拌が可能となるような銅プレート電極をインサートした容器の蓋を設計・製作した。蓋に関しては、平板電極、リング電極、三極分割電極の3種類製作した。そして、製作した3種類の容器を用いて、電界撹拌の条件検討を行った。今回成型した容器のサイズでは液量は1.5mLから2mL程度までが適量であり、平板電極とリング電極容器に関して1.5mLでは矩形波の方が液の動きは大きかったが、2mLではSin波の方が液の動きが大きいことが明らかになった。平板電極とリング電極を比較すると、溶液に吸引力が働く場所の距離が近い平板において、液の動きは若干大きかった。さらに激しく撹拌させるためには、電極間距離を小さくする必要があるということもわかった。さらに、スイッチング回路によって、任意の電極部に電圧を印加できるPCで制御可能な高電圧スイッチング装置を開発した。高電圧アンプの後に本スイッチング装置を配置し、前述した三極分割電極に対してそれぞれの3極別々に電圧を印加した。このシステムによって電圧を印加する部位が右回り又は左回りに回転するように切り替えを行うことが可能となった。この計に対しても電界撹拌条件の検討を行い、電圧±4Kv 周波数5hz 1sec切り替え、±電圧4Kv 周波数5hz 2sec切り替え、電圧±4Kv 周波数6hz 3sec切り替え、電圧±4Kv周波数12hz 0.5sec切り替え等の条件を検討した。各条件においても、液表面が回転するような動きが観察することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、来年度の計画では3次元撹拌+2次元回転ハイブリッド撹拌における最適容器設計及び電極形状、電界印加方法等の基本セットアップの開発及び挙動のメカニズムを究明となっている。その中で、今年度はまず容器の設計と制作、電極形状の検討・設計・製作、電界印加方法の基本セットアップ(高電圧スイッチング装置も含まれる)の開発を行い、シャーレ型の閉鎖系で、電界撹拌が行えるシステムを開発出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、本年度開発したシステムを用いて、液滴に上下の振動だけでなく、回転運動を生じさせ、効率よい撹拌を可能とした淀みの無い撹拌を実現するため、電場条件における液滴挙動をマクロ的・ミクロ的視点から解析し、電場条件による挙動のメカニズムを究明し、最適電界条件の検討を行う。また、容器の最適な形状の検討を行っていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予算のうち旅費をあまり使用しなかったためである。来年度は対外発表や技術調査のために有意義に使用していきたい。
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