研究課題
昨年度までは、再現性、簡便性、汎用性を考慮し、専用設計のシャーレではなく、市販のシャーレ、さらにはスイッチング回路を用いない方法で、3次元撹拌と2次元回転を融合させた撹拌を可能にさせるセットアップや電界印加条件を検討した。本年度は、市販シャーレに、撥水シートで底面形状を2種類作成し、それを用いて電界撹拌を行なった。底面形状はティアドロップ型と勾玉型の2種であり、流体は純水、撹拌の様子がわかるよう粒子を滴下して観察を行なった。液量は1.5mL、電界条件は電圧8kV、印加周波数60Hzである。従来通りの円形底面では、印加周波数の調整により比較的低速の撹拌が得られるが電界印加40秒後では複数箇所で渦流れが発生し、液滴全体の回転は出来ないことがわかった。同様にティアドロップ型に底面を変化させても円底面同様に複数箇所で渦流れが発生し、液滴全体の回転は出来なかった。そこで底面を乱流のきっかけを与え易い勾玉型にして電界撹拌を行うと、液滴全体が回転するような流れを観察できた。さらに、ハイスピードカメラを用いてこの勾玉型底面における電界撹拌の様子を観察した。その結果、液滴は上下に振動していることがわかる。また、上から任意の1つの粒子の軌跡を観察すると、液滴全体に回転流れが生じていることが確認できた。
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Pathobiology
巻: 87(1) ページ: 1-6
10.1159/000505631