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2018 年度 実施状況報告書

次世代ワイドギャップ半導体向け革新的切断加工を実現する電界スライシング技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K06106
研究機関秋田県産業技術センター

研究代表者

久住 孝幸  秋田県産業技術センター, 先進プロセス開発部, 主任研究員 (40370233)

研究分担者 赤上 陽一  秋田県産業技術センター, その他部局等, 所長 (00373217)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード遊離砥粒 / ワイヤー切断 / 電界
研究実績の概要

本研究は,SiC基板などのワイドギャップ半導体用基板の電界援用による高効率ワイヤー切断加工技術「電界スライシング技術」の創出を目指し,最適な電界印加条件と切断条件を探求するものである.平成29年度は,「電界スライシング実験装置」を試作し,ワイヤーへの印加電圧,周波数,印加方向などの電界条件に加えて,ワイヤー走行速度などの切断条件やワイヤー種を変化させた時の砥粒の流れ,分布などの運動特性を顕微鏡下の観察を通して,メカニズムを明らかにする.平成30年度以降は,自動送り機構を用いて実際の切断実験を実施する.さらに,前年度得られた電界下におけるワイヤー周りの砥粒配置条件から高効率かつ高品位な切断面が得られる要素のメカニズムを解明し,最適な切断条件,及び電界条件を明らかにする.
本年度は,平成29年度に試作した【電界スライシング実験装置】を用い、原理切断実験を行い、ワイヤー工具種(固定砥粒の有無、線径)や、滴下する遊離砥粒径などと、電界印加条件(電界強度、波形、周波数)などの影響についてSi材を被加工物として調べた.その結果、切断効率は無電界に比べて概ね80%程度向上する効果が得られ、条件によっては,110%向上する効果が得られた。これらの知見を、特許出願した.
また,平成30年度に,職場内に導入した市販のワイヤー切断装置に電界印加可能な改造を施した.今後、本装置を用いて,ウエハへの切断実験を実施して電界スライシング技術を実証する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は,電界スライシング技術の基礎的な知見を明らかにするために,平成29年度に試作した【電界スライシング実験装置】を用いた切断実験をSi材を被加工物として実施した.各種基礎的な切断条件・電界印加探索を実施して切断効率向上効果を得た.また、これらの知見を特許出願した.

今後の研究の推進方策

平成30年度で行った基礎的な切断実験を砥粒種などを変えて引き続き実施する.また、これらの基礎的な知見を基に更なる特許化の可能性を探索する.
また,平成30年度に,職場内に導入した市販のワイヤー切断装置に電界印加可能な改造を施した装置を用いて,ウエハへの切断実験を実施して電界スライシング技術を実証する.

次年度使用額が生じた理由

計画では,初年度に簡易的なワイヤー走行機構を構築する予定だったものを,原理確認重視のためオミットしたため,剰余金が発生した.2年目にワイヤー走行実験のため,切断用ワイヤー工具としてkmオーダーで必要となるとしていたが,調達年度を3年目に繰り越して利用することとした.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 電界スラリー制御技術を用いた小径工具による研磨加工法の開発 -第2報-2018

    • 著者名/発表者名
      久住孝幸、越後谷正見、中村竜太、赤上陽一
    • 学会等名
      2018年度砥粒加工学会学術講演会
  • [学会発表] 小型片面研磨装置向け電界スラリー制御システムの開発2018

    • 著者名/発表者名
      池田洋、原田響、久住孝幸、越後谷正見、赤上陽一
    • 学会等名
      2018年度砥粒加工学会学術講演会
  • [学会発表] 電界印加条件がスラリー分布とSiC基板の研磨特性に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      池田洋、泉泰秀、久住孝幸、中村竜太、赤上陽一
    • 学会等名
      2018年度精密工学会秋季大会学術講演会
  • [学会発表] 電界スラリー制御技術を用いた小径工具による研磨加工の基礎検討 -第4報-2018

    • 著者名/発表者名
      久住孝幸、越後谷正見、中村竜太、赤上陽一
    • 学会等名
      2018年度精密工学会秋季大会学術講演会
  • [学会発表] 小径工具における電界スラリー制御技術の開発2018

    • 著者名/発表者名
      久住孝幸、越後谷正見、中村竜太、赤上陽一
    • 学会等名
      第12回生産加工・工作機械部門講演会
  • [学会発表] 電界スラリー制御技術における電界条件とSiC基板の研磨特性との関係2018

    • 著者名/発表者名
      池田洋、泉泰秀、久住孝幸、赤上陽一
    • 学会等名
      第12回生産加工・工作機械部門講演会
  • [学会発表] ガラスの研磨加工2018

    • 著者名/発表者名
      久住孝幸
    • 学会等名
      ニューガラス大学院
    • 招待講演
  • [産業財産権] 切断方法及び切断装置2018

    • 発明者名
      久住孝幸、赤上陽一、越後谷正見
    • 権利者名
      秋田県
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2018―243799

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公開日: 2019-12-27  

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