接触圧力低減を目的とした人工膝関節脛骨インサートの電子線照射による強靭化について検討した。ガンマ線照射したUHMWPE試験片の引張試験ならびに硬さ試験を行い、照射による力学的特性の強靭化に対する明確な変化を見出すことができた。電子線の照射については、ガンマ線の照射線量と同様な条件で予備実験が完了している。 試験後の材料分析については、電子スピン共鳴装置により実施しており、ラジカル種の分析とその評価ができる仕組みを構築できた。以上の結果を反映させた関節接触問題解析モデルにより、関節内の環境にできるだけ近い条件で、UHMWPEに加わる応力を評価できると考えている。
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