研究実績の概要 |
本研究の目的は,公差解析に関する学術を広く調査・収集して体系化し,その過程で全体を俯瞰して不足点を補い,公差解析を学術として発展させることである.初年度であるH29年度は,広く文献を集めつつ,その中でまだ不足していると思われた,いわゆる「がた」の求め方について,詳細に検討を行い,学会発表【実績1】ののち,学術論文【実績2】として投稿し採択された.さらに,ワークブックを出版【実績3】し,随筆【実績4】を執筆した. 【実績1】鈴木伸哉,若山 昇:穴と長円の穴を用いた位置決めによる組立ばらつきの解析, 日本設計工学会2017年度 春季研究発表講演会, (2017)pp.189-192. 【実績2】鈴木伸哉,若山 昇:穴と長円の穴を用いた位置決めによる組立ばらつきの解析, 設計工学,52,9 (2017)pp.553-556. 【実績3】鈴木伸哉,杉山裕一:公差設計スキル認定試験「3級・4級」対応 公差設計ワークブック,プラーナ―出版 (2018) ISBN 978-4-9905264-0-7 【実績4】鈴木 伸哉:日本の製図維新 前夜 / アメリカ GD&T 留学記,設計工学会誌,53,1(2018)pp.2-9. 【実績1】および【実績2】は,穴と長円の穴を用いた位置決めの際に,いわゆる「がた」の影響を詳細に検討したものである.これは,精密プラスチック部品や,プレス部品などでよく用いられる方法である.【実績3】は,高専・大学の高学年から社会人1~2年目程度向けに作成した公差解析の問題集である.問題集の作成段階で,公差解析の分野から網羅的に問題を取り込むことを試みたので,公差解析の分野の体系化を考える上での基礎となった.【実績4】は,研究代表者が,H29年度に渡米し,アメリカの公差解析の専門業者との交流を随筆としてまとめて学会誌に投稿した.
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