• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

遷移境界層におけるストリーク不安定と乱流の初生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K06139
研究機関東北大学

研究代表者

伊澤 精一郎  東北大学, 工学研究科, 准教授 (90333856)

研究分担者 福西 祐  東北大学, 工学研究科, 教授 (60189967)
西尾 悠  首都大学東京, システムデザイン研究科, 特任助教 (70712743)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード境界層遷移 / 局所不安定領域 / 乱流斑点
研究実績の概要

平成30年度は,風洞実験を中心に乱流遷移を起こしやすい条件について研究を進めた.まず,攪乱の導入装置の開発を進め,スピーカーと接続したスパン方向に並んだ3つの小孔からなる装置を製作した.この装置を用いて,平板層流境界層に対して壁面から短時間の噴き出しと吸い込みを行い,境界層内に部分的に乱れやすい領域を作り出した.生成された領域は,流れ方向に伸びたストリーク状の低速及び高速領域を内包していた.次いで,この局所的に不安定な領域に対して下流で噴流を噴射し,弱い刺激でも局所乱流領域が発生しやすい条件を探った.まず,噴流を噴射する最適なタイミングについて調査した.生成した不安定領域が下流の噴射孔の真上を通過するタイミングを早い順にA, B, C とし, 各タイミングで噴流を噴射したところ,いずれの場合でも局所乱流領域が生成され, その噴流の噴射速度は単に層流境界層中に噴射するよりも小さくて済むことがわかった.また, その効果を比較すると,不安定領域の中心が通過するタイミングB で噴流を噴射するのが最も効果的であった.続いて,流下する不安定領域に対してスパン方向に異なる位置から噴流を噴射し,相対的な位置の影響を調査した.その結果,このケースでは,タイミングB よりも早いタイミングで噴流を噴射したほうが乱れの生成に効果があることがわかった.しかし, その効果は噴射位置をスパン方向にずらす前と比べると小さく,噴流のスパン方向位置によって乱流領域生成に効果的なタイミングが異なることがわかった.さらに,主流速度の27 %の強さの強い噴流を噴くことで局所乱流領域を発生させ,その成長についても調べた.その結果,下流で形成された局所乱流領域は乱流斑点であることがわかった.また,上流で生成した不安定な領域は,乱流斑点の生成には効果があるもののその成長には寄与しないことが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

風洞実験及び数値計算により,平板境界層における乱流の初生について有益な知見が得られた.

今後の研究の推進方策

引き続き,作成した攪乱発生装置を用いて,乱流斑点の生成につながる普遍的な条件について探る.

次年度使用額が生じた理由

計画当初は攪乱発生装置にコンプレッサーと真空ポンプの使用を予定していたが,スピーカーを用いて装置を作成することにしたため次年度使用額が生じた.繰り越した分は,装置の改良等に充てる予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 遷移境界層における 乱流の始まりを探る実験的研究2019

    • 著者名/発表者名
      岡田 健佑, 伊澤 精一郎, 福西 祐
    • 学会等名
      日本機械学会東北支部 第54期総会・講演会
  • [学会発表] Numerical study of laminar-turbulent transition triggered by artificially introduced vortex2018

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Sato, Yu Nishio, Seiichiro Izawa, Yu Fukunishi, Joe Yoshikawa
    • 学会等名
      The 8th International Conference on Fluid Mechanics (ICFM)
    • 国際学会
  • [学会発表] Key structure in laminar-turbulent transition of boundary layer with streaky structures2018

    • 著者名/発表者名
      Joe Yoshikawa, Yu Nishio, Seiichiro Izawa, Yu Fukunishi
    • 学会等名
      The 8th International Conference on Fluid Mechanics (ICFM)
    • 国際学会
  • [学会発表] 境界層中に人為的に渦を置くことで乱流の初生に関わる流体構造を探る試み2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤 友裕, 吉川 穣, 西尾 悠, 伊澤 精一郎, 福西 祐
    • 学会等名
      日本流体力学会年会2018

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi