本研究では,水中構造物の切断工法を確立するため,通気水中アブレシブサスペンションジェット(以下ASJ)の流れ構造及び脈動特性を解明し,通気鞘流路の最適化によって気層被覆水中ASJを生成するノズルシステムを開発した.様々な条件で実験した結果,通気ジェット気層域パルセーションのストローハル数Stは,鞘内圧力で定義された擬似キャビテーション数σ_(sh)に依存することが示された.適切な通気流量でσ_(sh)が約0.0005の場合,鞘出口に約20~30dの連続的気層域が形成される.スタンドオフ距離がこの範囲内では水中相対切断深さはほぼ1になり,気中と同程度の切断能力が得られることが検証された.
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