ディーゼルエンジンにおいて吸気温度,吸気圧力,吸気酸素濃度,燃料噴射圧力,および燃料のセタン価を広範かつ独立に変化させた際の着火遅れを実測し,簡便な着火遅れ予測式の構築を試みた.燃料噴射開始時の酸素分圧および平均筒内ガス温度を説明変数としたアレニウス型着火遅れ予測式に,各セタン価燃料の実測の着火遅れを与えてE/Rを未知数として求めたところ,セタン価CNに反比例する関数で与えることができた.それをもとに,セタン価が32から78の燃料について,前述の関数でE/Rを着火遅れの予測式に与えて本実験結果に適用したところ,着火遅れが2.0 ms よりも短い場合には高い精度で着火遅れの予測が可能であった.
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