研究課題/領域番号 |
17K06193
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
永井 二郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (70251981)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 沸騰 / 固液接触 / MHF点 / スプレー冷却 / 可視化 |
研究実績の概要 |
スプレー沸騰冷却時の局所的濡れ開始条件の可視化・系の可視化・温度計測に関して、下記2点を行った。 1.大サイズ伝熱面による可視化と高温面初期温度400℃を実現(水およびHFE-7100の膜沸騰を実現)する装置は、昨年度までに、メタルシールでは高温オイルリークを防止できないため、耐熱性接着剤の使用により実験可能な状態となった。今年度は、まずHFE-7100を用いたスプレー沸騰冷却実験を行い、可視化・温度計測を行った。透明なサファイア円板(φ180mmx5tmm)上にスプレー冷却される際、下部および上部から高速度カメラにより観察する。サファイア面中央部にφ1.1mmの穴あけ加工を行い、φ1mmのシース熱電対を挿入・固定し、表面温度を測定した。その結果、スプレー噴霧領域内にて局所的な濡れ点の発生する位置は一様では無く、特定の部位に偏在していた。その原因究明のため、スプレー噴霧局所流量密度を測定した結果、局所流量密度の大きな部位から局所的な濡れ点が発生していることが分かった。高温面初期温度高温化(400℃)に関しては、下部オイル温度が200℃を超えた時点から装置より煙が発生したため、原因究明を行っている。 2.比較のため、矩形小サイズ(50mm角x5mm)のサファイア板を用いた装置による可視化・温度計測実験を行った。サファイア板上にHFE-7100ラミナー沸騰冷却を行った結果、濡れ開始温度は流量に依存せず、表面温度140~150℃にて濡れが開始(自発核生成温度は約160℃)することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大サイズ伝熱面による可視化と高温面初期温度400℃を実現する装置の実現と実験について、オイル高温時のリークを防ぐため耐熱性接着剤により対処はでき、低温域でのHFE-7100スプレー冷却実験は実施できたが、高温域での水スプレー冷却実験は実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
【研究実績の概要】と【現在までの進捗状況】に記した課題(オイル高温時の煙の発生)を解決するため、煙発生物質・場所の特定と対処(例えば、オイルの種類変更など)を行い、水スプレー冷却実験の実現を目指す。また、伝熱解析により表面温度と熱流束を評価し、濡れ開始条件の定量化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定の消耗品が予定より少なく済んだため、次年度使用額がわずかに発生した。翌年度の消耗品費として使用する計画。
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