研究実績の概要 |
本研究は,これまでの研究成果をもとに,液体のアルカリ性触媒の代わりに,水洗を必要としない固体触媒である塩基性ゼオライトを用いる超音波BDF合成法の提案と検証を目的とするものである。研究では,まず,様々なゼオライトを用いて塩基性を向上させる調製及び活性の比較を検証した。続いて調製されたゼオライトを用いて回分式BDF合成を試みた。次に,ゼオライトを長期使用による触媒の被毒を調査した。最後に,SolidWorksを使って,量産化を目指す循環型超音波反応装置内の流れ解析を行い,流路の最適化を図って,循環型ゼオライト触媒超音波BDF合成システムの設計・試作した。一連の実験の結果、下記のような結論をえた。(1)Na原子の吸着量が最も多いのは(A5)で,一番少ないのはA4であることが分かった。また,調製の時に使われた水酸化ナトリウムの濃度が大きいほど調製後のナトリウム増加量が多い;(2)ゼオライトは濃度がPH14≧になるとゼオライト(A3,A4,F9)の表面破損することが分かる,ゼオライト(A5)の表面破損一番である。したがって,ゼオライト(A5)生成率が高くなると推測できる;(3)すべてのゼオライトにおいて,イオン交換に用いる水酸化ナトリウム水溶液濃度と時間の増加によって,ゼオライトの塩基点量は増加し,BDF 生成率も増加することが分かった,また,A3 <A4 <F9 < A5 の順でBDF生成率が向上することが確認できた;(4)6 molの水酸化ナトリウム水溶液で合成されたA5によるBDFの合成は最大約63%の生成率に達し,BDF 合成に最適であることを確認している;(5)ゼオライトを使えば使いほど、触媒被毒の現象が生じ、触媒としての性能が低下することを確認した。
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