本研究では,これまで提案してきた独立回転車輪を有する操舵台車の実現性を検討するため,車両運動解析と1/10スケールモデル走行装置を活用した実験を実施した.数値解析によって,提案する傾斜軸EEF台車のアタック角を低減でき,車輪・レール摩耗においても従来の鉄道車両台車より優位であることを示した.また,自己操舵性の付与に起因した自励振動に関しても,十分にその影響が小さく,適切なヨーダンパ減衰係数の設定により走行安定性を確保できることを確認した.低床路面電車車両を想定した3車体連節構造を有するスケールモデル走行装置を制作し,走行実験によって急曲線走行をさせ,アタック角が十分に低減できることを確認した.
|