研究実績の概要 |
平成29年度は以下の研究実績を得た。(1)機械学習法に組み込むオペレータ法、適応手法として、早期故障検出法を提案した。さらに数値シミュレーションで提案法の有効性を検証した。(2)オペレータ法では、事前情報であるプラント情報として、プラントの構造、パラメータのノミナル値を必要としており、これらの情報を機械学習法で求める手法を新たに考案した。また、取り込む観測値の選択方法についても検討した。(3)機械学習法の欠点である過学習を避けるため、早期故障検知の観点からSVM法を用い、機械学習において学習データに対する感度を決定するクラス分類の決定法を検討した。学習させるデータは現時刻の入力, 出力, 1ステップ前の出力, 2ステップ前の出力の4種である. 出力に関して複数時刻の出力を用いて学習させることにより, 故障の誤検知を少なくすることができた。(4)オペレータ法のロバスト制御系設計法を用いた耐故障制御法に、早期故障検出を適用するため、耐故障制御系に有効とされるロバスト制御系構成法を与え、故障の早期に対応する早期耐故障制御法を考案した。(5)プラント実験装置による実験的検討では、水位系の動作を観測雑音の範囲内の微小に変動させ、その場合でのモデルを分数次元で求め、実験で検証した。実験装置を増設し、次年度以降に実施する実験の準備を行った。
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