研究課題/領域番号 |
17K06251
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
神永 拓 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90571571)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Sパラメータ / フィールドバス / 電気静油圧アクチュエータ |
研究実績の概要 |
2021年度は制御系を検証するためのアクチュエータを駆動する制御ソフトウェアプラットフォームの開発を行ったほか、2020年度に製作したEHAの組み立てを行った。 高速な制御を行い、密なデータを取得するためには、モータの高速な制御が必要になる。Sパラメータは力と速度から構成される、パワーに関係した量である。Sパラメータを用いた解析を行うことで、従来の単純な力や位置の制御ではなく、効果的な力の伝達や、透過的な遠隔制御が可能になる。ただし、システムに投入するエネルギや環境から受け取るエネルギを計測する必要があり、多様なセンサ情報を取得する必要がある。本研究では、電気静油圧アクチュエータの制御にSパラメータを用いた設計を行うことを計画しており、そのためにモータの電流制御、複数の圧力センサの計測、出力軸エンコーダの計測が必要になっていた。 そこで、本研究では様々なセンサのデータやモータの制御を行うためにEtherCATと呼ばれるフィールドバスを使用している。フィールドバス上のソフトウェア開発には一定の知識が必要であり、条件やコントローラを変更しながらの研究開発は時間がかかるほか、柔軟な開発は難しい。そこで、本研究ではSimulinkを用いたラピッドプロトタイピングを行うこととし、そのためのソフトウェア基盤を開発した。これにより、ソースコードによる制御器の記述が不要になり効率的な制御系開発・検証が可能になっただけでなく、実験データの可視化やログが容易になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では2021年度中に電気静油圧アクチュエータ上での実験を行う予定であったが、コロナによる出勤数の減少により組み込みソフトウェアの開発や検証が遅れ、ソフトウェアの開発にとどまり実験を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に開発したソフトウェアプラットフォームを用いてSパラメータに基づいた制御系設計の検証を行う。電気静油圧アクチュエータの制御に注力して研究をすすめる。2022年度は2021年度の実施予定だった電気静油圧アクチュエータの実機実験を行い、検証を行う。複数の電気静油圧アクチュエータを用いた制御に関してはシミュレーションによる検証を行う計画とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染の増大により出勤機会が減少し、実験に関する計画が遅れたため、実験にかかわる経費の繰り越しが必要になった。2022年度は実機実験を行うため、実験環境整備に使用する。
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