研究課題/領域番号 |
17K06254
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
菅原 雄介 東京工業大学, 工学院, 准教授 (60373031)
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研究分担者 |
遠藤 央 日本大学, 工学部, 専任講師 (50547825)
岡本 淳 東京女子医科大学, 医学部, 特任講師 (10409683)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 人力ロボティクス / 人間機械協調 |
研究実績の概要 |
本研究では,ロボットシステムとしての多機能性と人力機械としての本質的安全性,健康増進/リハビリテーション機能,環境親和性を兼ね備えるシステムの設計論を構築することを目的とする.本年度は,回生サーボクラッチを用いた人力関節駆動系と,本質的安全性を損なわない回生エネルギ再利用型パワーアシスト駆動系を開発し,またこれらを人力パーソナルモビリティへ適用し評価する計画であった. これに対する実績を以下に項目ごとに示す. まず回生式人力関節駆動系の開発に関しては,これまでに開発した回生サーボクラッチを利用した人力関節駆動機構を開発し評価したところ,良好な制御性能を持つことを確認した.また回生エネルギ再利用型パワーアシスト駆動系に関しては,上記の人力関節駆動機構に回生電力を用いたアシストモータと無段変速機を搭載した改良機を開発し評価したところ,制御性能とエネルギ効率には改善の余地があるが,駆動時の負荷を低減することができることを確認した. 人力パーソナルモビリティへの適用・およびロハスモビリティの人力ロボティクスの応用可能性の検討に関しては,2輪駆動型パーソナルモビリティ機構へ人力ロボティクスを適用し,回生ブレーキおよびモータを用いたシステムにより登場者のペダリングを制御する技術を開発した. 手術支援ロボットへの応用可能性の検討については,パッシブ型位置決め関節機構のコンセプト確認と位置決め制御システムの試作と検証を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
回生式人力関節駆動系の開発に関しては,基本的な技術開発を完了した.また回生エネルギ再利用型パワーアシスト駆動系に関しては,当初予定していた技術開発と評価を完了し,現在はさらなる性能向上の可能性を検討しているところである. 人力パーソナルモビリティへの適用・およびロハスモビリティの人力ロボティクスの応用可能性の検討に関しては,パーソナルモビリティ試作機を製作し今後の制御システム構築への準備を整えた. 手術支援ロボットへの応用可能性の検討に関しては,当初予定していたコンセプト検討を完了し,今後は制御性能向上を検討している. 以上の状況は,おおむね当初の計画通りである.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況に記載の通り,今後の研究についても予定通りに進めてゆく. まずパワーアシスト駆動系の開発,手動リフト等への応用に関しては,前者が完了しつつあることに鑑み,項目を発展的に統合して多自由度人力駆動ロボットの開発を行う.次にパーソナルモビリティ,ロハス・モビリティへの応用に関しては,製作したプラットフォームを用い,能動的かつ本質的に安全な運動の生成手法の検討や搭乗者の健康および環境親和性への評価の準備を進める.手術支援ロボットへの応用に関しては,これまでの検討結果に基づき,人力駆動型手術器具位置決め機構の開発を開始する.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった減速機のキットが格安で入手できたため,次年度使用額が生じた. 30年度に開発予定の試作機を高機能化することで使用する予定である.
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