本研究はドライバ受容性の高い自動車の介入支援システムの実現を目的としている。 まず、本年度に予定する実験が行えるようにヒューマンマシンインターフェイスとステアリング介入支援システムのハードウェアとソフトウェア両面の改修作業を行った。そして、改修したドライビングシミュレータを用いて評価実験を行った。 評価実験は支援予告情報提示に関する実験を昨年度に引き続き行った。(これと並行して予定外ではあったが可変インピーダンス制御導入に関する研究も行ったがスペースの都合上割愛する。)運転支援システムの減衰比は昨年度までの研究で決定された値が妥当だったので継続して使用する。昨年度までの研究成果より、簡潔な情報提示ならドライバにとって見やすい位置にあるヘッドアップディスプレイ上にアイコンを表示する方が妥当であると考えた。さらに、見やすさの観点で表示用アイコンについて検討した。そして、ランドルド環を基準とした粗ピクセルアイコンを提案し、それに基づきアイコンを小中大の3つのサイズで構築し評価実験を行った。その結果、表示時間が長い方が表示アイコンの情報を認識するのに妥当との結論が得られたが、時間が長すぎると介入支援が入るまでに間が空きすぎ問題であるとの意見もあった。また、中サイズ以上の大きさのアイコン表示であれば、ある程度長い予告時間であれば二つまでのアイコンの認識であれば認識率はほぼ100%であった。 三年間の研究を総括すると、介入操舵支援システムにインピーダンス制御を導入し、そのインピーダンスパラメータを減衰比基づき設定することでドライバ受容性が大幅に改善され、さらに、ヘッドアップディスプレイ上に1秒前に表示予告用効果音を鳴らすと同時にアイコンを提示し、その表示数は最大二つまでとし、なおかつ大きさは中サイズとすることでドライバにとって良好な介入支援が行えるという結論を得た。
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