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2017 年度 実施状況報告書

簡便に設置したアンビエント知能環境に基づく身体性を拡張する作業支援空間の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K06280
研究機関甲南大学

研究代表者

梅谷 智弘  甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10397630)

研究分担者 才脇 直樹  奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20252637)
横山 清子  名古屋市立大学, 芸術工学研究科, 教授 (50174868)
田村 祐一  甲南大学, 知能情報学部, 教授 (50311212)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード空間知能化システム / 空間計測 / 感覚呈示 / マイクロコントローラ
研究実績の概要

本課題では,感覚をつかみにくい間接的な作業に対して簡便に得たアンビエント(空間)情報を用いて人の身体性を拡張し,作業者を支援するシステムの構築を目的としている.平成29年度ではA)簡便に構築した知能化空間での感覚呈示支援技術の開発,B)人の内部,外部計測を用いた知能化空間の制御技術の開発を重点的に行った.特に項目B)では,人の内部・外部計測による知能化空間の制御情報の抽出を中心に行った.
簡便に構築した知能化空間の感覚呈示支援技術の開発では,人への適切な感覚呈示を行うために,環境内での人の動きや運動を,作業者周辺に配置した小型マイクロコントローラを用いて計測する手法を開発した.また,感覚呈示についても作業者の近くで情報を生成して呈示する手法を開発した.これらの開発をとおして,作業者の近くで情報収集,呈示する枠組みを実現した.
人の内部,外部計測では,特に人の周囲環境として,対象となる人が接触する部位の空間など,従来より小さい空間を計測することで,人の状況を識別する手法を開発した.特に,就寝時などの状況における掛け寝具などの温度,湿度計測による状況検出手法を提案し,様々な状況下における離床や寝床内の移動などの状態変化を検出できることを実験により確認した.これらの検証をとおして,外部計測を用いた知能化空間の制御情報の抽出の可能性を見出した.
これらの研究開発をとおして,本研究の目的である,簡便に構築した知能化空間における感覚呈示支援技術,および,知能化空間の制御手法の確立につながる成果が得られた.それぞれの項目に関して,論文などの形で成果発表を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,人の身体性を拡張し,作業者を支援するシステムの構築を目的としている。平成29年度では計画に先立ち,感覚呈示支援技術の開発,人の計測に基づく知能化空間の制御情報の抽出を重点的に行った.
人の計測,感覚呈示を行うための小型システムの構築,および,制御情報の抽出に成功するなど,次年度に向けての成果が得られていると認識している.このことから,研究の目的に掲げた項目に関する成果がそれぞれの研究項目から得られているため,おおむね順調に発展していると判断する.
あわせて,人の制御情報の抽出システムを構築する際に,温度,湿度による人の周囲計測を利用した人の状態変化検出の課題に関して,当初の計画以上の成果が得られた.

今後の研究の推進方策

平成30年度では,平成29年度で得られた結果に対して,システムの拡張,統合技術について検討を行い,システムの統合および評価に着手する.各要素技術の性能向上とともに,システム統合を行い,また,精密に計測できる知能化空間での制御情報の抽出手法と比較することで本手法の可能性,有効性を検証する.
また,研究開始後に得られた,温度,湿度による人の周囲計測を利用した人の状態変化検出の課題の成果に関して,深く検証し制御情報の抽出について研究開発を行う.

次年度使用額が生じた理由

当初予定と比較して,物品費について購入物品の見直しを行ったため,次年度使用額が生じている.
次年度では,アンビエント情報を得るためのセンサ系の構築,制御情報を付加するためのコントローラの導入,および,検証のために必要となる設備に用いる.また,研究開発を推進させるための実験補助者,協力者への謝金を支出する.あわせて,成果発表のための旅費や印刷費に使用する.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 自己完結性を有するコンポーネント駆動型の卓上ロボット環境の構築2018

    • 著者名/発表者名
      梅谷智弘,清瀬大貴,榊原洋之,青木哲,北村達也
    • 雑誌名

      計測自動制御学会論文集

      巻: 54 ページ: 126-128

    • DOI

      10.9746/sicetr.54.126

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] テーブルトップ型ロボットとヘッドマウントディスプレイを用いたテレヘッドシステムの試作2017

    • 著者名/発表者名
      北島大夢,石井大地,梅谷智弘,北村達也,森川大輔
    • 雑誌名

      日本音響学会聴覚研究会・電気音響研究会資料

      巻: 47 ページ: 529-534

  • [学会発表] Ambient Scheduler Cue4D Just in Time and Just in Place Associated with Objects2017

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro UMETANI, Mayuko ISHII and Takashi TAKUMA
    • 学会等名
      28th 2017 International Symposium on Micro-Nano Mechatronics and Human Science (MHS 2017)
    • 国際学会
  • [学会発表] Change Detection of Conditions of Motorcycle for Estimation of Dynamics of Ride-type Interface2017

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro UMETANI, Taiki HAYASHI and Naoki SAIWAKI
    • 学会等名
      SICE Annual Conference 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 多点センシングを利用した睡眠環境の状態変化検出の検討2017

    • 著者名/発表者名
      石井真由子,梅谷智弘,田村祐一,才脇直樹,横山清子
    • 学会等名
      第18回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
  • [学会発表] 簡便な計測による動作時の変化検出を利用した移動体の動特性推定の検討2017

    • 著者名/発表者名
      梅谷智弘,林大貴,才脇直樹
    • 学会等名
      第60回自動制御連合講演会
  • [学会発表] 複数のマイクロコントローラによる無線LAN信号計測に基づいた環境の状態変化検出の検討2017

    • 著者名/発表者名
      梅谷智弘,田村祐一
    • 学会等名
      第35回日本ロボット学会学術講演会
  • [産業財産権] 見守りシステム2017

    • 発明者名
      梅谷智弘,石井真由子,田村祐一,才脇直樹,横山清子
    • 権利者名
      学校法人甲南学園 ほか
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2017-242079

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公開日: 2018-12-17  

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