研究課題/領域番号 |
17K06284
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
兼重 明宏 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70224615)
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研究分担者 |
野田 善之 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60426492)
上木 諭 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50467213)
三好 孝典 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10345952)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 天井クレーン / 液体タンク / 液体搬送 / 2自由度制御系 / 制振制御 / 液面振動 |
研究実績の概要 |
タンク内の液体振動を抑え且つ,目的地に短時間で自動的に障害物を回避搬送する「安全性と操作性を考慮した遠隔運転天井クレーン液体タンク搬送システムの開発」のため,次のことを行った.まず,昨年度の成果として,ロッド及び容器内液面の振動を抑制する制御系として,容器内液体の振動を計測せず,ノッチフィルタによるフィードフォーワードコントローラと混合H2/H∞制御系設計を用いたフィードバックコントローラによる2自由度制御系を設計している.この研究成果を基に,(1)天井クレーンによるタンク内液体搬送制御システム(ソフトウェア)の開発に対して,3次元(とくにX,Yの2次元)搬送に対する各種タンク形状でのスロッシング抑制効果を検証を行った.具体的には,タンク形状として,直方体タンクと円筒形タンクを用い,それぞれ液体の液位を変化させ調査を行った.(2)さらに,液面振動抑制を考慮した2自由度搬送制御系の有用性を各種タンクで検証した.ただし,検証実験で制御系の有用性は検証されたが,制御系設計に関する新たな知見を得ることはなかった.(3)液体タンクと同様な2自由度振動系の簡易実験装置を製作し,開発済みの制御系の操作性に関する検討実験を行った.実験解析を行ったところ,位置決めを行う際の細かな入力を与えた場合に対して,振動的な挙動をすることが分かった.(4)上記(3)の知見をもとに遠隔制御を行った際の考慮すべき事項を検討した.また,バーチャルリアリティによるクレーンシミュレータを用いた荷振れ抑制操作技能習得のための教示訓練システムの開発や搬送軌道指示とそれに基づく障害物回避と荷振れ抑制を考慮した搬送軌道計画法の開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書記載の平成30年度の(2)天井クレーンによるタンク内液体搬送制御システム(ソフトウェア)の開発について,各種搬送に対する直方体タンクや円筒形タンクに対する搬送制御系の有用性について検証を行った.予想された成果を収めることができた.また,遠隔制御を行い際の人間の操作入力に対して,目標地点での位置決めを行う際の高周波の細かな入力に対して,開発した制御系が不安定になることが明らかになった.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の遠隔制御搬送制御システムの開発について,昨年度検証した人間の操作入力に対する制御系の検討について,ペンダント(ボタン)スイッチなどへの適用も考えた制御系設計を行う.また,被験者の熟練度などに対する検討も行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
残金が少額のため,次年度購入物品等もあることから繰り越しを行った.
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