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2018 年度 実施状況報告書

VLF/LF帯電磁波を用いた下部電離圏の広域かつ常時モニタリング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K06295
研究機関電気通信大学

研究代表者

安藤 芳晃  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30323877)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードFDTD法 / VLF/LF帯大地電離圏導波管伝搬 / PML / 非構造メッシュ
研究実績の概要

VLF/LF帯電磁波が大地-電離圏間を伝搬するシミュレーションをFinite Difference Time Domain (FDTD)法を用いる際に吸収境界条件が必要となる。大地および電離圏の曲率を考慮すると球座標系を用いる必要があるが、これまで球座標系FDTD法のPerfectly Matched Layer(PML)ではr方向のみ吸収する吸収境界条件しか開発されていなかった。そこでr方向だけでなく、θ、φ方向にも吸収する球座標系FDTD法のPMLを開発した。開発したPMLをVLF/LF帯伝搬解析に用いた場合、8層であれば-54dB以上、16層であれば-93dB以上の十分高性能な吸収特性が得られることを実証した。これを適用して、誤差の少ないVLF/LF帯伝搬のFDTD解析を可能として。
また、非構造メッシュにおける時間領域差分法をVLF/LF帯大地電離圏導波管伝搬に適用する準備を進めた。既に基本アルゴリズムのコード開発は終えている。また、VLF/LF帯伝搬解析には各種個別技術が必要となるが、それら開発されていなかった。そこで必要となる個別技術として、吸収境界条件、Total-field/scattered-field (TF/SF)境界条件、表面インピーダンス法を開発し、コード実装、性能評価を終えた。この非構造メッシュ時間領域差分法を用いると、大地の山岳などの地形の形状がVLF/LF帯の伝搬に与える影響を調べられる。そこで、地形の微細構造の有無、表面インピーダンス法を用いた時と、地下の導電率まで含めてシミュレーションを行ったときの差について調査している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

非構造メッシュにもとづく時間領域差分法の定式化、実装を済ませている。また、VLF/LF帯大地電離圏導波管伝搬を解析するのに必要な吸収境界条件、表面インピーダンス法、TF/SF境界の開発も終えており、VLF/LF帯大地電離圏導波管伝搬解析に非構造メッシュを用いた時の効果を検証できる段階まで来ている。

今後の研究の推進方策

予定通り非構造メッシュを用いてVLF/LF帯大地電離圏導波管伝搬解析を行い、その効率、および山岳地形の影響を評価する。効率的であるという結果が出れば多目的最適化に適用する。また、高次差分を用いたFDTD法の開発も進める。

次年度使用額が生じた理由

非構造メッシュを用いた時間領域差分法の場合、GPGPUではビデオメモリを要するので非常に高価なものになってしまう。そこで、MPIを用いた並列計算手法に変更することを検討しており、こちらの仕様を策定し次第、使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] An Approximate PML Applied to Cylindrical and Spherical Coordinate Sectors2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Ando
    • 雑誌名

      IEEE Microw. Wireless Compon. Lett.

      巻: 28 ページ: 741-743

    • DOI

      10.1109/LMWC.2018.2853565

    • 査読あり
  • [学会発表] 3次元球座標系FDTD法によるVLF/LF帯大地-電離圏導波管伝搬シミュレーション法の開発2019

    • 著者名/発表者名
      関根健太, 安藤芳晃
    • 学会等名
      日本大気電気学会第97回研究発表会

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公開日: 2019-12-27  

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