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2019 年度 実績報告書

プレバンチ電子線を用いたスミスパーセル超放射

研究課題

研究課題/領域番号 17K06296
研究機関静岡大学

研究代表者

根尾 陽一郎  静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (50312674)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードホトカソード / アルカリ光電面 / 量子効率 / スミスパーセル超放射 / マルチアルカリ光電面 / バイアルカリ光電面
研究実績の概要

本研究の目的は、高い量子効率、ピコ秒程度の応答速度を有するマルチアルカリ光電面の形成とスミスパーセル超放射の実現である。平成30年度の成果に,光電面形成の第一段階のカリウム(K)―アンチモン(Sb)合金化には、量子効率の2回のピークが存在する事を明らかとした。さらにK-Sb合金化の過程は、その後のセシウム(Cs)化に重要な影響を及ぼすことを明らかとなった。
平成31年度では、K-Cs-Sb光電面形成の最適条件確立と量子効率(QE)の高寿命化を行った。K-Sb光電面形成の1回目、2回目のピークでK-Cs-Sb光電面を形成し、透過特性、QEを評価したところ、2回目のピークは、半導体が現れたのちに、Kが過剰に供給されていると考えられた。また1回目ピークでは、K供給量が不足し、K-Cs-Sb光電面のQEは数%であった。K供給量の最適条件を評価した結果、2回目ピーク到達までに必要な供給量の2/3程度で、その後に形成するK-Sb-CsのQEが10%を超えることが分かった。裏面より安定化ハロゲンランプを入射し,分光特性を評価したところ、K-Sb及びK-Cs-Sb光電面が半導体特性である事が確認された。分光光源を用い分光QEを評価したところ、禁制帯幅が1.77eV, 電子親和力が0.3eVの光電面である事を明らかにした。
スミスパーセル放射光に応用するために、長寿命化について評価を行った。最適な条件で形成したK-Cs-Sbを室温にしてQEを測定したところ、1時間で1/10程度まで低下する問題がある事が分かった。この状態の透過特性を評価した結果、バルクの状態には変化がないことが分かった。再度基板温度を上昇させたところ若干のQE改善が見られ、Cs供給をすると初期の状態まで回復した。これにより表面への不純物の吸着,Cs脱離による電子親和力が増加が原因だと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Bi-Alkali photocathode for a bunched electron beam2019

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Sano, Yoichiro Neo, Hidenori Mimura
    • 学会等名
      32nd International Vacuum Nanoelectronics Conference 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] K-Cs-Sbバイアルカリ光電面形成時のin-situ特性評価2019

    • 著者名/発表者名
      佐野祐輔, 三村秀典,細田 誠,根尾陽一郎
    • 学会等名
      電気情報通信学会
  • [学会発表] K-Cs-Sbバイアルカリ光電面形成時のin-situ特性評価2019

    • 著者名/発表者名
      佐野 祐輔、三村 秀典、細田 誠、根尾 陽一郎
    • 学会等名
      応用物理学会

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公開日: 2021-01-27  

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