研究課題
基盤研究(C)
直流高電圧回路を電気接点対で遮断する際に発生するアーク放電の新たな消弧(アーク放電を消す)手法として、これまでに無い狭い空間内での消弧手段を提案し、その実現を目的とした。その手法として、接点間隙に分断板を挿入しアーク放電を空間的に分断した。直流600V-10Aの抵抗性負荷回路を分断操作により遮断した結果、アーク放電を長く引き伸ばすことなく、分断板とその板受けとの間に3mm程度だけ挟み込むことで、消弧させることができた。
アーク放電、電気接点
電磁リレーやコンタクタなどの既存のデバイスで広く用いられている、従来の消弧手法として、永久磁石によるアーク放電の引き伸ばしがある。この手法ではアーク放電を引き伸ばすための空間が必要であり、デバイスの小型化の制限のひとつとなっている。本研究で提案したアーク放電の空間的分断による強制消弧では、アーク放電を長く引き伸ばすことなく非常に狭い空間内での消弧を実現した。新たな原理による消弧方法の可能性を実証した点においてインパクトがあり、既存の関連する機器の性能向上に寄与する成果である。