本研究では、有機に熱スピン注入を行い、有機物中のスピン偏極電流の生成と検出について実験を行った。非晶質CoFeAlを強磁性層とし、カーボンを有機伝導層、Ptをスピン流変換層とし、微細加工によりクロスバー構造を持つ有機スピンゼーベック素子を作成した。Ptの逆スピンホール効果は大きく、スピン流変換層として適している。CoFeAl/アモルスファスカーボン/Ptクロスバーにおいて、Ptのスピン流変換によりCoFeAl層からの熱スピン流注入効果を観測できたと考えられる結果を示した。温度依存性の測定も行った。今後の課題として、CoFeAl層のネルンスト効果の寄与と分離が必要である。
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