研究課題/領域番号 |
17K06311
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
黒木 智之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00326274)
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研究分担者 |
大久保 雅章 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40223763)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プラズマ / 水中放電 / 超音波 / 廃水処理 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続きプラズマ-超音波ハイブリッド処理におけるプラズマと超音波照射のハイブリッド方法の検討のための難分解性有機物処理実験を行った.本年度は,電極径の違いによる放電に対する超音波照射の影響を調べた.直径0.1 mmの放電電極を用いた場合の超音波照射の有無での放電状態の観察を行ったところ,いずれも連続的な放電となり超音波照射の有無で大きな違いが見られなかった.しかしながら,直径0.2 mmの放電電極を用いて実験を行ったところ,超音波照射がない場合には断続的な放電が観察されたが,超音波を照射することによって,連続的な放電に変化することが確認できた.また,直径0.5 mmの放電電極を用いた場合には,超音波照射がない場合には全く放電が起こらなかったが,超音波を照射することで断続的ではあるが,放電が発生することができた.以上のことから,超音波を照射することにより,放電を発生しやすくなることがわかった.これは超音波照射によって放電電極近傍に微細気泡が発生することにより,放電しやすくなったためであると考えられる.直径0.2 mmと0.5 mmの放電電極を用いた場合の放電電力と直径0.1 mmの放電電極を用いた場合の放電電力を比較した結果,超音波照射がない場合には直径0.2 mmと0.5 mmの放電電極を用いた場合の放電電力は0.1 mmの放電電極を用いた場合に比べ低くなったが,超音波照射を行うことで放電電力が0.1 mmのときに近い値となり,このことからも放電が促進されていることがわかる.特に直径0.2 mmの放電電極を用いた場合にはその効果が顕著になり,フェノール除去率および分解エネルギー効率の向上が確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プラズマ-超音波ハイブリッド処理におけるプラズマと超音波照射のハイブリッド方法の検討のため,直径の異なる放電電極を用いて超音波照射の有無での難分解性有機物処理実験を行い,放電状態,放電電力,フェノール除去率および分解エネルギー効率の面から超音波照射の影響を確認することができたため.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究で直径の異なる放電電極に対して超音波照射の有無での放電状態,放電電力,フェノール除去率および分解エネルギー効率に及ぼす影響を明らかにすることができた.今後は,リアクタ自体の改良により,プラズマ-超音波のハイブリッド方法のさらなる検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初はホーンタイプの超音波発振器を購入してリアクタの改造も行う予定であったが,現状のリアクタにおいても電極径を変化させたところプラズマ-超音波のハイブリッド効果が見られ,ホーンタイプの超音波発振器の購入を中断した.このため所要額と使用額との間に差が生じた.使用計画としては,リアクタの改良などを予定している.
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