研究課題/領域番号 |
17K06312
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
柴 建次 東京理科大学, 基礎工学部電子応用工学科, 准教授 (10343112)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 模擬人体 / 無線電力伝送 / ネットワークアナライザ / トランス / オシロスコープ |
研究実績の概要 |
1.伝送効率を正確に測定する方法の検討と模擬生体中での伝送効率の測定 2種類の方法(オシロスコープを用いた方法,ネットワークアナライザを用いた方法)を用いて,正確に伝送効率を測定する方法を比較検討した.伝送周波数については,200k. 500k, 1MHzについて測定した.ネットワークアナライザには E5063Aを用いた.その結果,ネットワークアナライザ法は,マイナス極(グラウンド)が一次側と二次側で結合しているという欠点を持つが,理論推定計算値と誤差10%以内で一致した.オシロスコープを用いた方法においては,理論推定計算値と誤差5%以内で一致した.1MHz までの測定においては,オシロスコープ法の方が正確に測定できる可能性があることがわかった.ただし,ネットワークアナライザ法は,測定が数秒で終わるため,時間的な測定値のずれを原因とする測定誤差は小さくできるといえる. 2. 生体組織やパッケージを含めた経皮トランスの等価回路の作成と,小型経皮トランスの設計・試作 模擬生体に漬けた経皮トランスの等価回路の試作を行った.トランス周辺に生体組織があると,渦電流が流れ効率が低下する.さらに,コイルの表面には絶縁フィルムがあるが,容量的に結合が生じる.このため,これらの損失や容量を含めた等価回路の作成が必要になる.本年は,一次側に,トランスと並列に,抵抗-容量を直列接続した回路を挿入し,模擬生体に漬けた経皮トランスを模擬できるようにした.ネットワークアナライザによる効率の実測値と,等価回路から計算した理論推定値を比較したところ,誤差2.3%の範囲で一致することを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記報告のほか,電力伝送トランスと容量結合通信を同時に行った場合の干渉度合いについても,電磁界解析を行っており,ほぼ予定通りに進んでいるため.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,磁界放射を低減した2相経皮トランスの設計(電磁界解析)と, 容量結合型無線情報伝送と電磁誘導の無線電力伝送の同時動作システムの設計 を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度購入予定であったネットワークアナライザがまだ選定できておらず,借りて実験を行ったため,使用金額に差が生じた.
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